2026/06/29解決事例
事例⑻:数次相続・非協力相続人・審判——三段階で実現した難件相続登記
林間国際法律事務所がこれまでに携わった案件の実績・事例の一部を紹介します。
今後も随時、様々な分野の事件や裁判の解決事例をご紹介する予定です。
l 分野
相続・遺産分割
l 相談内容
相続登記を進めようとしたところ、被相続人が数十年前に亡くなった方であったため、その後の数次相続を経て相続人が十数名にのぼることが判明しました。ご依頼者は、この相続人全員の協力を得て登記を実現したいとのことでご相談にいらっしゃいました。また、既に司法書士が関与していたものの、一部の相続人の非協力により手続が行き詰まっていたという経緯もありました。
l 対応と解決結果
手続は大きく三段階で進みました。
第一段階として、全国各地の役所から戸籍・除籍・附票等を収集して相続関係を確定させた上で、十数名の相続人全員に対して個別に連絡を取り、相続分の譲渡に応じていただくよう交渉しました。大多数の相続人にはご協力いただき、遺産分割協議書への署名・捺印を取り付けることができました。
第二段階として、長期にわたり郵便物の受領を拒否し、直接訪問にも応じない相続人が残ったため、任意交渉を断念し、家庭裁判所に遺産分割調停を申立てました。この際、既に相続分を譲渡していただいた相続人の皆様が手続に巻き込まれないよう、裁判所と交渉の上、相続分譲渡証書・排除申出書を提出することで手続から外れていただく方法を採りました。
第三段階として、調停でも合意が得られなかったため審判に移行し、最終的にご依頼者が対象不動産の持分を単独取得する内容の審判が確定しました。その後、司法書士と連携して相続登記を完了させました。
l 弁護士コメント
本件は、「数十年前に亡くなった被相続人の不動産がそのままになっている」という、いわゆる塩漬け相続の典型的な事案でした。相続人が十数名に及ぶ中で、大多数の方には丁寧な説明と交渉でご協力いただけたものの、ごく一部の方の長期にわたる非協力が手続全体のボトルネックとなりました。こうしたケースでは、任意交渉・調停・審判と段階を追って手続を切り替えていく判断と、その都度他の相続人の方々への負担を最小化する工夫が重要です。また、今回のように司法書士と弁護士が連携して対応することで、法的手続と登記手続をスムーズに繋げることができました。令和6年4月から相続登記が義務化されています。「昔から名義が変わっていない不動産がある」という場合は、早めにご相談ください。

